ロヨラの聖イグナチオ自叙伝 [6828]

ロヨラの聖イグナチオ自叙伝 [6828]

販売価格: 700円(税別)

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商品詳細

2021年6月22日発売

─ 聖イグナチオの回心から500年 ─

 四度の邦訳本である本書は、1966年にアントニオ・エバンヘリスタ神父が中心になって訳出した原稿が元になっている。すでに45年を経て、現在ではあまり使われなくなった言葉やわかりにくい表現を修正し、今までにない訳文を加えている。
 イエズス会創立者聖イグナチオ・デ・ロヨラがパンプローナの戦いで負傷し、療養中に回心を体験してから500年を迎えた2021年、自らを常に神に向かう途上の巡礼者と意識し、迷い、悩み、行き止まりを体験しながら新たな道を切り開くイグナチオの姿は、困難の中にも神は恵みの手を差し伸べられているということを、私たちにも気づかせてくれる。


『 ロヨラの聖イグナチオ自叙伝 』
著 聖イグナチオ・デ・ロヨラ
訳 アントニオ・エバンヘリスタ
編 李 聖一
新書判並製 224頁 本体700円+税
ISBN978-4-88626-682-8 C0216


■もくじ

聖イグナチオとともに回心の道を歩む   レンゾ・デ・ルカ
ヘロニモ・ナダル神父の序文
ゴンサルベス・ダ・カマラ神父の序文

一章
1   イグナチオの青年時代、パンプローナで重傷を負う。
2   故郷ロヨラ城に帰り、ひどい苦痛を伴う手術を受ける。
3   秘跡を受ける。聖ペトロと聖パウロの祝日の前夜、病状が快方に向かう。
4〜5 不格好な骨を切断しようと思う。回復期に、キリストと聖人の伝記を読む。
6〜12 いろいろな霊によって心に動揺を覚える。

二章
13   イグナチオは、ロヨラ城を出立し、アランサスの聖母聖堂に参る。次いでナバレッテに赴き、そこで伴ってきた従僕と別れる。
14〜15  ムーア人に会い、聖母の処女性について論争する。
16   巡礼衣を買う。
17〜18 モンセラットで総告解を行い、武器を聖母の祭壇に置いてその前で一夜を明かす。マンレーサに赴く。

三章
19   マンレーサでの苦行、空中に珍しい幻影が現れる。
20〜21 いろいろの霊によって内的動揺を感じ始める。
22〜25 ひどい疑悩に苦しむ。
26〜33 心の平静を回復する――神に導かれ、しばしば神の照らしや天よりの思恵を受ける。最高の照らし。
34   重病にかかって、極端な苦行を慎む。
35〜37 バルセローナに赴き、イタリアへの旅を準備する。

四章
38〜39 ガエタで下船、ローマへの途につく。
40〜41 時の教皇アドリアノ六世の祝福を受けた後、ベネチアに向かう。
42〜43 あるイスパニア人の家で手厚いもてなしを受け、聖地への無賃乗船の交渉にも成功する。キプロスに赴く途中、船内での悪習を正す。
44〜48 エルサレムに着き、無量の感慨にひたりつつ聖地を訪れる。聖地に永住をゆるされず、やむなくヨーロッパへ引き返す。

五章
49   パレスチナからの帰途キプロスに寄港、次いで大暴風雨に遭遇、その後ベネチアに上陸する。
50〜53 バルセローナ行きを決意し、ジェノバからフェララに向かう途上皇帝軍とフランス軍両陣営の間を横断する。スパイと思われ、逮捕され辱めを受ける。このときイエズス・キリストの姿が彼に現れた。バルセローナに向け出帆する。

六章
54〜55 バルセローナで学問を始め、いくつかの困難と戦う。
56〜57 哲学と神学を学ぶため、アルカラに赴く。
58〜59 霊操を指導し、キリストのみ教えの説教に従事して、宗教裁判所に訴えられる。
60〜62 監獄に入れられたが、やがて釈放される。
63   アルカラからパリャドリッド、サラマンカへと向かう。

七章
64〜66 サラマンカに着き、間もなくドミニコ会の神父たちから審問を受ける。
67〜70 無罪が確認されて釈放されるまで、監獄に閉じ込められる。他人に対する彼の霊的働きに二、三の条件がつけられる。
71〜72 パリ行きを決意する。

八章
73〜75 パリで再び人文学を勉強する。
76 施しを求めにフランドルとイギリスに渡る。
77〜78 イグナチオの霊的子弟の運命。
79 イスパニア人を助けようとルアンに行く。
80 イグナチオの最初の同志たちの運命。
81 宗教裁判所に訴えられる。
82〜84 哲学課程に精進する。新たな同志を得る。健康状態が思わしくなく、故郷での静養を勧められる。
85 モンマルトルでの誓願。
86 出発の前に審問官のもとに自分から赴き、要請されていた霊操の写しを与える。

九章
87 故郷に向かう。
88〜89 慈善院に泊めてもらう。アスペイチアで人々の救霊のために働く。
90 パンプローナ、アルマサン、シグエンサ、トレド、バレンシアを歴訪する。
91 ジェノバに向けて出発し、暴風雨にあったが無事到着。幾多の困難の後、ボロニアに着きそこからベネチアに向かう。

十章
92 ベネチアで霊操を授ける。
93 迫害を受けたが、結局、彼の潔白が認められる。パリから来た同志たちと合流する。数カ月待ったのち、パレスチナ巡礼の許可を得るためにローマに赴く。ローマからの帰途、まだ司祭でなかった者が叙階される。
94〜95 乗船の機会を待つ間、ベネチア地方の二、三の都市に分散した。イグナチオはバッサーノで病気になったシモン・ロドリゲスを見舞う。
96〜97 同志は皆、イタリアの種々の新たな都市に分散する。ローマに赴く。その途中、イグナチオは有名な示現を受ける。

十一章
98 巡礼者、モンテ・カシーノに赴き、オルティス博士に霊操を授ける。オセス学士の昇天を見る。フランシスコ・エストラーダがイグナチオの同志に加わる。ローマで霊操を授けることに専念する。イグナチオとその同志に対する迫害が起こる。イグナチオは教皇パウロ三世と話をするため、フラスカティに赴く。無罪の判決。ローマにおいて慈善施設が建てられ、布教事業が促進される。イグナチオの信心と異常な祈りの恵み。
99〜101 霊操とイエズス会会憲の作り方。

あとがき
語句解説
聖イグナチオ・デ・ロヨラ年表
参考文献

■プロフィール

著者> 聖イグナチオ・デ・ロヨラ Ignatius de Loyola(1491-1556.7.31)
イエズス会の創立者。使徒的霊性の大家で、『霊操』の著者。スペインのバスク地方、ギプスコアのアスペイティア近くのロヨラ城に生まれる。13人兄弟の末っ子で、本名はイニゴ(Íñigo)。イグナチオは後に、アンチオケのイグナチオにちなんで自ら名のった名である。武人として立つことを好み、1517年ナバラのナヘラ公に仕えたが、1521年パンプローナを守り、フランス軍と戦って重傷を負う。これがイグナチオの人生の転機となる……続きは本書で!

編者> 李 聖一(り・せいいち)
1955年生まれ。1976年、イエズス会入会。1985年、司祭叙階。六甲学院、広島学院、栄光学園の教員、広島学院校長を経て、現在、学校法人上智学院の中等教育担当理事。