朝の心I（絶版） [659]

朝の心　I・II

川部　金四郎　著

206ページ　185×125mm

定価：本体757円+税

ISBN　4-88626-065-9
1991年4月　改訂版発行

　朝の心は白紙のようなもの、新しい一日を始めるにあたって、何を聞き、何を感ずるかは、
その日その日のあり方を決定するものです。

　毎朝、良い思想を与えられることの幸福は人生最高のものです。ここに収められたものは、
毎日の新しい歩みを始めるに先立って読むにふさわしく、
毎夜一日の生活を終わったときの反省の材料として有益であり、
常に座右において愛読熟読する価値ある守護区の文字であります。

　短い中にこもっている深い教えは、私たちの心の糧として、
かみしめればかみしめるほど味わいがあります。

若い人々には特におすすめしたい生活の書であります。
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　村岡花子氏による序文

　短くも含蓄にとんだ話を満載、1960年から発行されているロングセラーです。たとえばこんな話はいかがでしょう。本文から転載しました。

　「友情

　むかし、ギリシャの国にスパルタという町がありました。当時、各町々は高い城壁で囲まれていたのです。しかし、このスパルタの町には城壁がなかったのです。
　 ある日、スパルタの王は、隣の町の王を城に招いたことがありました。招かれた王はさっそく、スパルタ王に「なぜ、あなたの町には城壁がないのですか？」と訪ねました。スパルタの王は、静かに彼を窓際に案内し、「ごらんください王様」と下のほうを指差しました。
　 「あそこにいるおびただしい人々は、私の町の人々です。私は彼らを愛しています。彼らも私を愛しているのです。ですから私たちの町に危険が迫ると、彼らはひとり残らず城壁になれる人たちなのです」と。

　愛の支配するところに城壁の必要はない。なんと美しい崇高な真理でしょう。実際私たちの間にまことの愛があるなら、ちょっとした友人の非礼な態度や言葉はに、そんなに簡単に気を悪くし、腕力に訴えるようなことはないでしょう。
　 『あなたたちは敵を愛し、迫害する人々のために祈りなさい。剣をとるものは剣で滅びるのだ』とイエスははっきり教えておられるのです。
　 私たちも友人、特に気の会わない友人に対して、親切をつくすことによって、このみ教えを実行に移すことにいたしましょう。」